毎日を生きる、そして活きる

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発達障害。うつ。無職。引きこもり。日々の思考や行動を書いた日常系がメインで社会復帰に向けての奮闘ブログです。その他発達障害関連や処方薬レポート、プログラミングなどの記事を書いてます。

【ADHD本人】「インチュニブ錠」とは?薬の効果や副作用は?大人の服用者本人が説明!

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インチュニブ服用者が「インチュニブとは何か?」、インチュニブの特徴をまとめてみました。

元々はエスタリック錠と呼ばれる薬を再開発してインチュニブとしてADHD患者へ対象となった経緯と特徴、インチュニブの副作用、インチュニブ服用感想などをまとめております。

ADHD治療剤としては国内3番目に国から認可をされた「インチュニブ」
執筆当時(2019年10月)では、ADHD治療剤の最新薬剤にあたります。

インチュニブの元々は高血圧症患者に使用販売されていた薬なのですが、再開発されてADHD治療剤として生まれ変わった経緯があります。

ここでは、そんなADHD治療剤として開発された「インチュニブ」がどのような薬なのかを説明してきたいと思います。


 

 

インチュニブとは、

インチュニブとは、一般名は『グアンファシン塩酸塩』と呼ばれ、ADHD(注意欠陥・多動性障害)患者を対象に「不注意」「多動性」「衝動性」の改善を期待される治療剤です。

日本国内で2017年5月に18歳未満の小児期対象として販売開始され、2019年6月に世界で初めて18歳以上の患者へと適応拡大されたADHD患者のための薬です。


元々は『エスタリック錠』と呼ばれる血圧を下げる薬で高血圧症患者に処方されていた薬をADHD患者用に再開発して作られた経緯があります。
そのため、「不注意」は改善されないが、「多動性」や「衝動性」には効果があり改善が期待されると見解があったりします。



インチュニブについて、

製品概要

インチュニブ錠1mgの画像

インチュニブ錠1mg

 

インチュニブ錠3mgの画像

インチュニブ錠3mg

 

製造元:塩野義製薬株式会社

製品名:インチュニブ

一般名:グアンファシン塩酸塩徐放錠

薬価:1mg 1錠 407.20円 / 3mg 1錠 537.50円

対象年齢:6歳以上

効能・効果:注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

用法・用量:1日1回の服用・体重を考慮した用量(下表参照)

体重 開始用量 維持用量 最高用量
17kg~25kg未満 1mg 1mg 2mg
25kg~34kg未満 1mg 2mg 3mg
34kg~38kg未満 1mg 2mg 4mg
38kg~42kg未満 1mg 3mg 4mg
42kg~50kg未満 1mg 3mg 5mg
50kg~63kg未満 2mg 4mg 6mg
63kg~75kg未満 2mg 5mg 6mg
75kg以上 2mg 6mg 6mg

18歳未満の患者:
体重が50kgの場合は1日1mg、体重が50kg以上の場合は1日2mgより投与を開始。
1週間以上の間隔をあけて1mgずつ上表の維持用量まで増量する。
なお、症状により適宜増減するが、上表の最高用量をこえないこととし、いずれも1日1回経口投与すること。


18歳以上の患者:
1日2mgより投与開始。
1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、1日4~6mgの維持用量まで増量する。
なお、症状により適宜増減するが、1日用量は6mgを超えないこととし、いずれも1日1回経口投与すること。

参考元:注意欠陥/多動性障害治療剤「インチュニブ® 錠 1mg・3 mg」-武田薬品工業株式会社

効果

ADHD患者の治療薬。脳内の神経伝達機能を改善し、注意力の散漫や衝動的で落ち着きがないなどの症状を改善する薬。

服用開始からインチュニブの効果が出るまでの期間
1~2週間

インチュニブの効果の持続期間
24時間

インチュニブの服用する時間帯
朝・夕どちらかのだいだい決まった時間

 

ADHD治療薬として初めての作用機序である「選択的a2Aアドレナリン受容体作動薬」
ADHD患者の前頭前皮質では、後シナプスのa2A受容体の活性化レベルが低く、シグナル伝達が減弱している可能性があります。ADHDに対するグアンファシンの作用機序はまだ明確ではありませんが、後シナプスのa2Aアドレナリン受容体を選択的に刺激することで、減弱しているシグナル伝達を増強させることが、非臨床研究から示唆されています。
インチュニブの作用機序はこれまで国内でADHD治療薬として販売されている薬剤の作用機序とは異なるため、ADHD患者さまの新たな治療の選択肢となることが期待されます。

引用元:注意欠陥/多動性障害治療剤「インチュニブ® 錠 1mg・3 mg」の製造販売承認取得について

編集:権兵衛さん

特徴

国内でのインチュニブ販売までの歴史

2011年11月に塩野義製薬とShire plcにて、日本国内における共同開発を開始。
2012年より小児AD/HD患者を対象に臨床試験を開始。
2015年6月より18歳以上のAD/HD患者を対象に臨床試験を開始。
2017年3月に小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の適応症として製造販売承認を取得。
2017年5月に18歳未満の小児期対象として販売開始。
2019年6月に世界で初めて18以上の患者への適応拡大。

参考pdf資料:
・注意欠陥/多動性障害治療債「インチュニブ錠 1mg 3mg」新販売のお知らせ - 塩野義製薬株式会社/シャイアー・ジャパン株式会社(資料作成日:2017年5月)
・インチュニブ適正使用ガイド - 塩野義製薬株式会社/武田薬品工業株式会社(資料作成日:2019年6月)

 

インチュニブの元々は血圧を下げる薬として使用販売されていた薬

元々は「エスタリック錠」の名称で、高血圧症患者に向けて血圧を下げる効果を期待して使用販売されていました。

1984年に国内でも承認され「エスタニック錠」が使用販売されていた。
2001年12月に「エスタリック錠」の成分、効能・効果に着目したアイルランドのShire社が小児AD/HD患者を対象として臨床試験が実施される。
2005年に商業上の理由から「エスタニック錠」の販売中止。
2009年9月に初めてAD/HD治療薬「INTUNIV」の名称として米国で承認されました。
2018年3月現在では、日本を含む世界36ヵ国で小児AD/HDを適応症として承認されています。

参考元:
・インチュニブ適正使用ガイド - 塩野義製薬株式会社/武田薬品工業株式会社(資料作成日:2019年6月)
・「インチュニブ錠」グアンファシン塩酸塩徐放錠:日経バイオテクONLINE
・薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録(2017年3月2日)

 

元々は血圧を下げるための薬とわかった上でのインチュニブの特徴

もともと、インチュニブ(一般名:グアンファシン)はADHDの治療薬として用いられていたわけではなく、高血圧の治療薬として活用されていました。血管が収縮していると、その分だけ血圧が高くなります。そこで、血管を拡張させることができれば、血圧を下げることができます。

 

交感神経は運動時に働く神経であることから、交感神経が活発になると血管が収縮して血圧が上がります。そこで、交感神経の働きを抑制することができれば、血管が拡張して血圧が下がるようになります。このような考えにより、交感神経の働きを抑えるグアンファシンを高血圧治療薬として用いていました。

 

ただ、脳の覚醒を抑えることにより、ADHDによる過剰な活動性、衝動性、攻撃的行動を抑制できるのではと考えられました。そうして、ADHDの治療薬として開発したのです。

 

攻撃性に関わる交感神経の抑制が主な作用機序であるため、ぼ~っとするなどの注意力の欠如や、片付けができないなどの症状に対してインチュニブは効果を示しません。そうではなく、多動・衝動性に対する治療薬になります。

 

それまで用いられていたADHDの治療薬といえば、脳(中枢神経)の興奮を促す「中枢神経刺激薬」でした。一方でインチュニブは脳の興奮を促す働きではないため、「非中枢神経刺激薬」として活用されます。

 

このような特徴により、ADHDによる注意欠陥に対しては効果を望めないものの、過剰な活動性、衝動性、攻撃的行動に作用を示す薬がインチュニブ(一般名:グアンファシン)です。

引用元:インチュニブ(グアンファシン)の作用機序:ADHD治療薬

 

インチュニブの副作用

ここでは、年齢別にみた主な副作用を説明致します。
また、年齢問わずの副作用についても一部説明致します。

主な副作用

6歳以上18歳未満の主な副作用

  1. 傾眠(57.5%)
  2. 血圧低下(15.4%)
  3. 頭痛(12.2%)

 

18歳以上の主な副作用

  1. 傾眠(41.3%)
  2. 口の渇き(33.5%)
  3. めまい(28.7%)
  4. 血圧低下(26.1%)

 

その他の副作用(5%以上)

  • 不眠
  • 便秘
  • 倦怠感

 

その他の副作用(1~5%未満)

  • 起立性低血圧
  • 腹痛
  • 食欲減退
  • 悪心
  • 下痢
  • 遺尿
  • 体重増加

 

その他の副作用(1%未満)

  • 血圧上昇
  • 頻脈
  • 悪夢
  • 感情不安定
  • 無力感
  • 腹部不快感
  • 嘔吐
  • 消化不良
  • etc...

 

その他の副作用(頻度不明)

  • 過敏症
  • 蒼白
  • 高血圧性脳症
  • 不安
  • うつ病
  • 痙攣
  • 過眠症
  • 喘息
  • etc...

参考元:・インチュニブ適正使用ガイド p81 - 塩野義製薬株式会社/武田薬品工業株式会社(資料作成日:2019年6月)

年齢問わずに服用中に何か異常が認められたり、様子がいつもと違うと感じた場合は、速やかに主治医か薬剤師に連絡をすること。

 

投与中止を検討するほどの副作用
  1. 低血圧:高度な低血圧、徐脈があらわれることがある。
  2. 失神:失神が起こることがある。
  3. 房室ブロック:心房から心室への興奮伝達が部分的・完全に途絶することがある。

参考元:・インチュニブ適正使用ガイド p82 - 塩野義製薬株式会社/武田薬品工業株式会社(資料作成日:2019年6月)


参考元によると発生頻度の確率は低いですが、上記症状の報告が挙がっているそうです。
なので、服用されている本人または親御さんは注意と十分な観察が必要です。


なお、自己判断での投与中止が一番危険です。

上記の症状があらわれた場合は、速やかに掛かりつけの精神科医や薬剤師などに相談してください。

絶対に自分の判断で服用を辞めることはしないでください。

 

私のインチュニブ服用の実体験

私は成人を迎えている男性です。
そんな人物ですが、誰かしらの参考になれば幸いです。

インチュニブ投与開始から1週間

「インチュニブ錠 1mg 1錠」から投与開始しました。
副作用が強く表れていて、効果を実感することはありませんでした。

holdambition.hatenablog.com

 

インチュニブ投与開始から2週間

まだ1mgでの経過報告。
少し副作用の効果は薄れていると感じつつもまだキツイ状況。
この日は通院日で2mgに変更。

holdambition.hatenablog.com

 

インチュニブ投与開始からその後経過状況

現在(2019年10月22日)は、「インチュニブ錠 3mg 1錠」を服用中。
2週間ごとに服用の感想レポートを作成しています。
以下の記事リンクがカテゴリーになっており、今までの服用レポート記事があります。

holdambition.hatenablog.com